2007/03/26

スクリーン整形おぼえがき

車体製作での難関のひとつ、スクリーン製作の個人的なおぼえがきを公開します。
参考になれば幸いです。

この方法は、0.5mmのPET樹脂を使って、カウル整形用の雌型を使って真空整形する方法です。
熱源はジェットヒーター。今回は2台使いました。
”釜”はプリプレグの整形に使った釜の天井をぶち抜いて、上に型を乗っける、という方法をとりました。
  1. PET樹脂
    カウルの曲率にあわせて、できるだけフィットする二次曲面になるようにカットします。
    型との接点はPET樹脂の端面で接触するような感じでも構わないです。
    多きさは程よく(色々要素があります)。
    バキュームの吸い口とブリーザーを入れる場合はその部分の余裕を見てカット。
    バキュームの吸い口は、一番整形が深い部分(最後まで引けない部分)に近いところを選びます。
    シールする部分に沿って細くブリーザーを入れたほうがいい場合もあるでしょう(形状によります)。




  2. PET樹脂をシールテープで雌型の内側に貼り付け
    シールテープで雌型の内側にPET樹脂を貼り付けます。端面で接触するようにした場合、シールテープはPET樹脂の端面のなるべく外側につけます。無理のない二次曲面になるように貼ることを心がける。
    常温ではPET樹脂が固いので、それなりに合うようにでOK。
    バキューム用のホースにブリーザーを巻いて突っ込んでおきます。

  3. プレ加熱
    一旦全体を暖めて(80~90度)から、PET樹脂が少し軟化したくらいでシールテープでの貼り付け部を圧着します。
    どうしても馴染まない場所があるのであれば、全体に小さくタックを付けるようにして、一箇所でのシワにならないようにします。
    形状が単純であれば余熱でいっぺんに出来るでしょうし、形状が複雑な場合で時間が掛かって冷えてしまう場合は細かいところはヒートガンで部分的に整形します。
    何回か繰り返しても多分大丈夫です。
    引きつれやシールテープの浮きがない様にします。
  4. 整形
    再び加温してPET樹脂の温度を上げます。
    十分に柔らかくなるまでバキュームは引かずにおきます。
    大体95度、形状が深い場合は100度ほどまで加熱します。
    触ってみてどれくらい柔らかくなっているかを感覚として掴むと、良いでしょう。
    全体が柔らかくなったのを確認して(目視しながら口で空気を吸引するとよく分かります)、バキュームを引きます。
    全体が引けたのを確認したら、すかさず熱をかけるのをやめます。
    (真空は引きっぱなしにします)
    この作業一発勝負が基本です!

  5. 十分に冷却して完成。

ポイント
  • バキュームを引く口に近いところが密着して窒息してしまうと、そこから先はバキュームが引けなくなります。バキュームの引き口の場所を考えるか、ブリーザーを入れるようにします。
    温度分布が引き口から遠いほうを少し高めにすると良いようです。
  • 深い整形は樹脂が引き込まれてしまうことが起きがちなので、クランプをするかして対処します。
  • 型とPET樹脂の表面のゴミに注意!
  • 保護フィルムを剥がさないでやると、少しきれいに出来ます。この場合、保護フィルムに傷やシワがないのを確認し、また、シールテープを張る部分はカットしておく必要があります。
  • 型からスクリーンをはがすときに勢い余ってスクリーンを破かないように注意しましょう(泣)
  • Try and Errorでやるしかない部分が多いです…めげずにチャレンジ!
これであなたもスクリーン職人!?

スクリーン整形のフォトアルバムはこちら

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