いつものドライバー(ヨシアキさん)が社員旅行のため参加できないということ。
代理ドライバーとしてOSUのスドーさんに乗ってもらうことにしました。
スドーさんはガソリンエコランのドライバーの経験や、EVエコランではテスト走行などでの走行経験はあるものの、EVエコランは初レースとなります。
ここら辺の”縛り”が作戦面に影響を与えました。
使用するモーターは加速時のトルクが大事なのが去年から分かっていたので、M1048R(ミツバ減速モーター菅生用)を24Vで使用。
操作系のコンセプトは”極力シンプル”として、最小限の操作で最大限のパフォーマンスを発揮できるように作戦を立てる必要がありました。
その結果、回生なし(フリーホイール使用)、キャパシタ非搭載(平滑用も積まない)という構成となりました。
使用しなくても良いや、というつもりで浪越ブーストは搭載しました(重量はこのレギュレーションでは関係ないですから)。
シンプルな作戦で大事なのはセッティングです。
セッティング≒ギヤ比 ですが、テスト走行が出来ないため、アタリをつけるのにエクセル上でのシミュレーションを作成しました。
シミュレーションの考え方を大雑把に言えば、コースのその場所での走行抵抗を計算してモーター出力とのバランス点を探るということです。ほぼ半月くらいかけて作りました。
コースの高低差とコーナー曲率をもとに走行抵抗を計算します。
コース走行パラメーターにはモーター駆動[ON/OFF]とブレーキ[ON/OFF]を指定します。
速度データーは初速をまず与えて、走行抵抗の計算は1区間前の速度を使用して計算しています。
(1区間を0.1mにしてしまいましたが、細かくしすぎました、再計算が重くてしょーがないです)
走行抵抗には色々な要素がありますが、以下の要素を計算しています。
- m*g*sin(θ):勾配抵抗[N]
- μ*m*g*cos(θ):転がり抵抗[N]
- 1/2*Cd*ρ。*V^2*s:空気抵抗[N]
- m*(⊿v)/⊿t:加速抵抗[N]
- コーナーリングロス[N]
- ブレーキ力[N]
これら走行抵抗と速度(≒モーター回転数)でモーターのバランスポイントを探して消費電力を計算します。
このシミュレーションにより分かったことは
- 最終コーナーの脱出速度によっては、Aコーナーと最初のヘアピン(左)のコーナーGが1.3Gを超える(!)
- ラップタイムを(安全に)上げるには、バックストレートの速度を上げるより他無い
- 260Wほどでバックストレートは爆走しあとはほぼ惰性走行
- コーナーリングロス率がわかんねぇなぁ
なお、この走行パターンの場合、モーター効率は常に90%を越えた所を使用することになります。
事前準備は、このシミュレーションが全てだったといっても過言ではありません。
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