2007/05/16

Gilles07 車体製作レポ3(アップライト)

今回、凝って作った部品の中に、カーボンアップライトがあります。「何でカーボンなの?やりたかったの?」と秋田でサレジオのS先生に言われましたが・・・そうですやりたかったんです・・・F-1みたいなインホイールアップライトにしたかったんです。。。でもそれだけじゃないんで、一応経緯を書きます。
アップライト写真
断面①:ディスク面オフセットの大きなカーボンディスクホイールの利点を活かして、キングピンオフセットをゼロにしようと思い、この辺かなぁとロッドエンドを配置

断面②:でもベアリング間距離はなるべく大きく取りたいなぁと、ハブとベアリングを配置。でもこのままアップライトをロッドエンド間に直線的に配置すると、車軸が成り立たなくなるなぁと。
断面③:ほなぁ、前から見てC型の断面にすれば、取り合いが成立するんじゃないかと思ってみました。C断面にすると、アップライトの取り付けが片持ちになり、おもいっきり曲げがかかります。イマイチ気持ち悪いので、剛性を高めるためにC断面をくるっと回転させ、ホイールのような”フープ状”にして剛性アップを図りました。
じゃー型は?作ろうかとも考えましたが、耐熱があり、手ごろな型を探すとお鍋が出てきました。年始には手ごろな大きさのお鍋を散々探しましたね・・・980円で良いのが見つかったので良かったです。
積層は?一応昨年車のアルミアップライトと等価剛性を保つため、断面2次モーメントだけは計算してますが、走行中にどこが変形しているかイマイチ分かってないです。ま、秋田のコーナーリングにも全然耐えているのでOKとしてます。
良かったのは、アップライトの上下面が平面なので、キングピン傾斜角とキャスター角、アッカーマンの位置決めがし易かったですね。

2007/05/11

練習走行ムービー

こんなん撮れました。

走り出す前に色々と手間取っているのが見所です(笑)

2007/05/08

Gilles07 車体製作レポ2(ジョックル一体成型)

プリプレグでジョックルを一体で作る方法です。この成型方法をすれば、2度焼きをすることなく、ジョックルが形成出来ます。個人や学校でプリプレグを成型するのに一番大変な作業は”キュア”だと思います。温度管理をやりながら、真空にも気を使い何時間も・・・あんまり何度もやりたくないですよね。今回Gilles07には、この工法を使った部位が下図のように複数あります。是非部品製作の参考にしてみてください。
下図は、ロールバー積層後の写真です。(右側が車体前方)ロールバーの前後に白いフィルムが見えますが、これがジョックル一体成型のミソです。リリースフィルム(テドラーやTPXフィルムなど)を積層間にわざと挟み込み、キュアを行ったあとでもくっつかないようにしています。これで、ぴったりの厚みのジョックルが形成出来ます。

上の写真の断面図です。メス型にカーボンプリプレグを積層しているのですが、層間にわざとリリースフィルムを挟み込んでいます。

キュア後にヘラ等で剥離するきっかけを与えてやると、パキッとはがれてくれます。
あとはバリ取りをしたあとに、ファスナーで締結すれば分割カウルの完成です。ファスナーはズースファスナーが定番ですが、自動車の内装を留めたりするのに使われる、ナイロンのワンタッチファスナーもオススメです。最近はカー用品店やDIYでも取り扱ってますので、部位によっては使ってみるのも良いですね。



Gilles07 車体製作レポ1(コンセプト)

さて、秋田も終わったことですし、いろいろ情報公開しますね~

●大コンセプトとして、昨年までのGilles06をベースに、空力性能の向上を図りました。具体的にはLowerのメス型内にベニヤ板と発泡ウレタン、樹脂パテにて約30mmの底上げを行いました。A(前面投影面積)を小さくすれば、空力は良くなるはずと信じての作業でした。
高さを少なくしてAを小さくした代償として、縦曲げ剛性のダウンが深刻な問題でした。如何にしてI(断面2次モーメント)を稼ぐかが課題でしたね。剛性の話はまたのちほど。
●Upper型は形状そのままですが、Lower改修によりドライバーの姿勢が寝てくるので、シッポとの分割面を後ろに寝かせ、頭が入るようクリアランスを設けました。且つロールバーを設けて、ドライバーの安全とリヤ周りのねじり剛性Upを図っています。ロールバーは、シッポとUpperカウルをシャシと結合する”位置決め”にも役立っています。カウル対カウルだと両方が”ふにゃふにゃ”しているので、位置が決めにくいかなと思ってます。
●昨年は分割式だったリヤアームをシャシと一体化し剛性確保と軽量化を。でもシッポは分割式にし、TeamBIZONトランポ(ステップワゴン、ウィッシュ、ウーノ?)の車内に積載出来るようにする。シッポが外れるとピットが広く使え、整備性もアップしますよ。
●整備性と言えば、フロントのタイヤカバーも脱着式にしました。エコノムーブを見ていて不思議に思っていたのは、「なんであんな狭い隙間からタイヤを外さにゃならんのや?」ということ。ホイールが真横に外れると、ベアリング間距離を長く出来、シャフトを外さずにホイールを脱着出来るのでメカニックとしては安心ですね。こちらも製作のやり方はのちほど。
●あーあと、カーボンホイールの実戦投入ですね。1年越しぐらいで製作していたので、フレッシュ感はありませんが・・・秋田には3台のTeamBIZON製カーボンホイール付き車両が走行しました。3台ともホイールにはトラブルがなかったので、良かった良かった。
ホイール積層レポって要りますかね・・・書き出すと長いので考え物ですが、苦労を伝えるためにも書いた方が良いかなぁ。ご意見お待ちしております。

そんな感じでかなりBodyにはかなり凝った仕様となっています。走行しているときよりも、ピットで見られる時間の方が長いので、”カウルを外してもカッコイイ車”に仕上がっているつもりです。是非ピットで見てやってください。

2007/05/07

秋田レースレポ(カントク)

また今年も秋田に、なにか忘れ物をしてきたような結果でした・・・・・

今年は昨年のような東北道の渋滞も無く、順調に秋田に3日の朝6時に到着気合十分で練習走行から始めましょう。

確認のための試走

練習走行はいつものように、モータの行きと帰りのトップスピードの確認、コーナリング速度の確認、不具合箇所の確認をし、今回初めて搭載した可変界磁のコアの引き具合による速度変化の確認といろいろと確認することがいっぱいあります。

問題発生
コーナリングによるタイヤのねじれでボディーに干渉する問題により左前輪をパンク
対処法:ボディー側を削ることにより対処。

キャパシタの充電と使用方法確認
昨年に続き、今年もキャパシタを搭載充電と加速上乗せによる使用方法の検討をし今回も加速時の上乗せに使用することにしました。(決勝では別の使い方もしました??詳しくは後ほど・・・)

練習走行は特に問題なくこなし夜は秋田市内で由利工業高校の先生たちと一緒に美味い食い物をたらふく食ったのでした。
MENUの一部(いぶりがっこ・はたはたのから揚げ・鯨の刺身・はたはた飯ずし)

公式練習(えらいこっちゃ)

やってしまいました、大失敗です!結果は公式練習11位??? 72,321.70 kmって2004年の記録に戻ってしまいました(何故????)

公式練習はゼッケン5番なので前から4番目です、皆さんは知っていましたか?
秋田のエントリーを早く完了すればゼッケンは早くなります!
エントリーフィーも振り込んだ時点で公式練習の順番が決まります(たぶん)うちがいつもゼッケンが若いのはいつも早くエントリーしているからと信じています。

さて、順調に公式練習を走行していましたが、問題は10周目めあたりで発生していたかと思われます、今回ミツバDDを自分たちで改造して作った可変界磁機構のため、コアを抜いた時にもホールセンサーを動かないように固定するためにと6角柱の長いナットを使用していたのですが、ちょっと長すぎたのか?詳しいことは不明ですがホールセンサの基板に付いていた足が折れて1個のホールセンサでの信号を拾うことが出来ずに12周という結果に終わってしまいました。

こんなことはじめてだぁ~
公式練習終了後すぐに問題点をメンバーで考え、ホイールのアライメントチェック等の考えられることは確認し最終的にホールセンサーということに・・・・。復旧作業は深夜?10時(おじさんには十分深夜)寒い中行われましたまさかT大&Z○Pより遅くまで作業するとは・・・・この時点でT大&マジ○ル電○君に撤収GPで負けていた???とは・・・・明日の決勝に不安を残しつつ今夜の食事はさびしくもガストということに。昨日の秋田の御馳走と比べると天と地の差がありますねぇ・・とほほ。

さあ決勝 いや!本線いや!本戦で~す!(決勝でもいいではないか?)

おじさんは朝早く起きるのです! 朝5時に起きてサンルーラル8Fの大浴場へ朝風呂に入りに行きます、そういえば前日は某Z○Pの○上さんに朝風呂で会いしました○上さんもおじさんの域に達したか????エ○○○スの伊藤さんも朝風呂はいっていたな??
他にも○○久○さんのシャンプーを目撃とか面白いねたはこのへんでということに。

朝風呂のときに窓から見えたのは所かまわず落ちる雷!見ているとホテルの500m先にも落ちていました。雷ってピカッ→ゴロゴロ→ドーンかと思いきや、近くに落ちるとバーンだけなんですね(ひとつお利口になった)

落雷&雨 今日のレースは雨! でも雨対策は万全です! 昨年も雨対策万全で望んでパンクでリタイアでしたが雨の中何の問題も無く走行できていたので期待大です。

会場に着くと先ほどまで派手に鳴っていた雷は何処へやら?? 雨も小降りになりついには雨はやみ本戦開始時にはドライコンディション??? 作戦上ちょっとまずいかも?今回秋田のために2種類の速度の違うコイルを用意しましたが、雨を想定し、遅いほうを選択していたのです。
吉と出るか凶と出るか?(結果は凶でした・・・) 

今日のバッテリー充電は過去最高の出来かな?(自画自賛)この日のためにヤフオクで入手した菊水のPAS20-18が3台とケンウッドの20-18の安定化電源を使い4個のバッテリーを各1個に一台を使用し充電します。
1台で一個のバッテリーを充電するのはバッテリーによりそれぞれ充電時の特性が若干違うため充電の電圧・電流をコントロールしバラツキをなくします。

本戦スタート
予定通りの11時スタート

路面はドライで風も初参加以来6年目で始めての無風の状態でのレースです。

スタートは失敗ではありませんが、ちょっと遅めです?ドライバーの今後の課題かな?他のチームよりスタートの加速が遅いのは1周目のラップタイムへの影響が確実に出ます。今回の秋田では他のチームより5~10秒遅いですね! 反省です

スタート後は特に問題なく順調に走行しています、ラップタイムも8分30秒前後をキープし特に問題が無ければ周回数も確実に14周に届き+αが期待できます。

バッテリーの電圧もスタートしてまもなくの負荷電圧も26.06Vと昨年と比べても+0.4V高めです。

不幸は突然にやってくる
10周目までは3位をキープこのままレースが終わると思いきや!!!!!!
突然不幸が?! なんとコア抜きのワイヤーが切れるというハプニング発生!緊急事態です、さあどうしましょう?頭に中はパニックです!
最高速は行きで38km/hといきなりダウンします。

どうすれば電池君に抜かれずに3位をキープできるか?

対応策1

MAPを進める事、今回は遅角回生のためMAP6を通常の0の位置に設定していたためMAPを最大のF(実際は9)まであげてみますが40km/hが限界です
さてどうしましょう? このままでは電池君に抜かれてしまいます。

対応策2
今まで折り返し加速時に上乗せに使用していたキャパシタを
加速時には使用せずに巡航時に上乗せし電圧を上げ最高速をあげてみます。折り返しからストレートの終わり近くまでは使えましたがそれまでです。

キャパシタの残りの電圧を2V残りまで行きでも使います、しかし速度は39km/hが限界です。電池君にも抜かれてしまいます、最後の秘策を使うしかありません。

対応策3
最後の切り札に残していた浪越を使います! 
昇圧し電圧を上げ速度を上げる作戦です
残り時間から考えてもこの周で終わりですので思いっきり逝かねばなりません??
行かねばいけませんね、ドライバーに浪越を使うように指示します。

だめで~すってドライバーが電話で報告してきました???なにごと???
昨日練習走行の時に明日の本戦のため実験的に試した際にヒューズが切れたのか?
(いまだ原因は確認していませんが)万事休す万策尽きました。

あとはそのまま2時間を終了することに・・・・・

競技終了
本戦終了です。
結果は総合4位 走行距離81,440.60 kmこれが今回の秋田での結果です。
失敗はありましたが最大の努力をしての結果ですので素直に受け止めます。

反省  

まだまだ自分に甘い!ですね! 予想できるトラブルは出ないようにと考えて備えたつもりで準備したはずなのに、まだまだ勉強しなくてはいけないですね。

さあどうしましょう、今回の秋田で良い結果が残せたらといろいろ考えておりましたがその考えは来年の秋田までお預けです。

うちのチームとしては秋田が第1戦目、まだ残り5戦ありますので全戦出ましょう!ランキングTOPは無理かもしれませんが、昨年のランキング6位以上を目標に今以上にがんばります。

そうそう忘れていました。

今回の秋田でチーム スリップ ストリームというチームが6位入賞しましたが同じ神奈川県平塚市に在住でエンジンエコランからのお付き合いという事もあり、うちの車体とCFRPホイールを提供しました。
モータは特電アモルファスで車体は昨年仕様ですが、皆さんも良く考えてください。WEM秋田において良い結果を残すために一番大切なのは空力ではないでしょうか?今回うちが使用したモータもスペシャルのように思っているかと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、ノーマルとの違いは巻き線を高速仕様に変えているのみで、コア抜き機構は自作です。アモルファスも使っておりませんし(高くて買えません)来年の秋田でどうにかして上位に入賞をん狙っている方記録を伸ばすために新車を考えている方は空力を良く考えてはいかがでしょうか?

最後に今回のWEM秋田にご協力いただきましたチームメンバー・チームスリップストリーム金子さん・Team ヨイショットMITSUBAさん・Team四十雀に感謝し秋田の報告とします。

WEM秋田おわりました

WEM秋田終ました。

結果は4位で、あと少しで表彰台というところでした。

6位:Slipstream、4位: Bizon、5位:T-Works

6位に兄弟マシンのTeam Slipstreamが入ったのは嬉しいです。


結果についてですが、あんなことやこんなことが起きた割にはそれなりの順位を確保したという感じでしょうか??

↓あんなこと

コア抜き(可変界磁機構)のワイヤーが切れました…。

詳細はまた!

2007/05/02

いざ秋田へ


Team BIZONは今日の夕方には秋田に向け出発予定です。

今年も1月から新車の製作を開始し、完成は4月30日とぎりぎりでしたが何とか間に合わすことが出来ました。

新車はかなり気合の入ったマシンになっています・・・って何が?

改良点いろいろ

  1. アッパーは昨年と同じ形状を使用し、スクリーンの面積を減らすことにより軽量化を図りつつもロールバーをつけたことにより重量増(笑い)
  2. ロアが今回もっとも形状変更により性能アップしている?と思われます。
    前面投影面積を7%減らしCdA値の向上を狙っています、実験の結果でもかなり良い結果が得られていますので、実際に秋田で走ってみてどうか?です。
  3. 脱着式タイヤカバーとロールバーも作者(T氏)の自信作?らしい?ので秋田でじっくり見てやってください。
  4. 今回は私が作る最後のマシン???ということでかなり贅沢な材料を多用しています、ハニカムはアラミドハニカムを使用しアルミ材もYH75と贅沢三昧の仕様です。
  5. 今回の最大のトライは可変界磁DDモータの採用です。
    コアとマグネットはMITSUBA DDから移植しコア抜き機構をチームで自作し秋田での記録向上を目指します。
さて今回の秋田の目標は? わがチームは86kmを最低目標にして秋田に望もうとしています
結果は走ってみないとわかりませんが目標は高く優勝も視野に入れ頑張ってきます。

最大の敵は雨とパンクか・・・・・・・・